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不器用で落着きのない技術者のメモ

NiziU プロデューサー J.Y.Park 氏のリーダーシップ・マネジメント手法

@shiumachi さんがツイートされてた Nizi Project のプロデューサー J.Y.Park 氏の「言葉」から読み取れるマネジメント手法の特徴の解説記事が参考になるので、備忘録としてメモ。

以下、はこの記事からの引用。
bunshun.jp

Nizi Project の人材輩出システム

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J.Y.Park 氏の言葉の 8 つの特徴

8 つの特徴の解説と具体例

「Goodを先、Mottoを後」で相手の心を開く
 J.Y. Park氏のフィードバックには共通する特徴がある。それは、良いこと(Good)を最初に伝え、もっと改善すべき点(Motto)はあとで伝えているということである。

 たとえば上司から部下にフィードバックする際は、良い後味で終わるように先にダメ出しをするということが多々あるが、これは先に悪い点を指摘することで「心をシャットダウンしてしまい、後から良いことを言っても伝わりづらい」ということにもなりかねない。そのため、J.Y. Park氏は敢えてGoodを先に伝えるようにしていると思われる。

(中略)

第2の特徴 「気づいていないことに気づかせる」
 自身の魅力や強みについて、自分自身で認識していることは「自信」へとつながっていく。Nizi Projectにおいては、J.Y. Park氏が参加者一人ひとりに対して自分では気づいていない魅力を伝えることで、参加者が堂々と実力を発揮できるように手助けをしている姿が印象的だ。それが最もよく分かるのがこちらの言葉だ。

リマさんは自分自身について、まだ分かっていないことがあると思います。……歌が本当に上手です。どんどん上手くなっている。ラップ、ダンス、パフォーマンス、表情で自分を魅せようとしているようですが、歌が本当に上手です。それをリマさん自身が知っていてほしいです。
(YouTube公式チャンネル「NiziU Official」[Nizi Project] Part 2 #8-2より)

第3の特徴 「具体的で的確なアドバイス、明確な宿題を与える」
 J.Y. Park氏は参加者に何か改善を求める際には、曖昧な表現は使わない。「気合が足りない」、「それくらい自分で考えろ」といった言葉で「指導をしているつもり」になっている上司も世の中には多くいるが、J.Y. Park氏のアドバイスは極めて具体的であり、次は何を克服すればいいか明確である。

 このような的確なフィードバックは、相手の成長に大きく貢献できることになる。人を育てる役割にある立場の人にとって、大いに参考になるだろう。

“腰に負担をかけずにダンスをする方法が知りたい”と書いてあります。(今の)重心をうまくとる方法と腰を痛めない方法は同じものです。
骨盤が立っているときこうやって耳と肩がなるべく遠くなるようにして、そうして力を入れたまま肩を下げながら背中の筋肉2つ、一番大きい筋肉2つに力を入れ、おしりの方に力を入れて、この4つに力を入れてからもう一回やってみて。踊るときも、おしり、背中の筋肉の4つを使ったら腰は怪我しないはずです。
(YouTube公式チャンネル「NiziU Official」[Nizi Project] Part 1 #1-2より)

(中略)

第4の特徴 「敬意をもって承認する」
 承認には、結果を出した際に称賛する「結果承認」だけでなく、プロセスや進捗や頑張りを認める「行動承認」、挨拶や存在してくれていることへの感謝を示す「存在承認」などがあり、これらは意欲的なチームや働きやすい職場づくりのためには重要な要素とされている。
第3の特徴 「具体的で的確なアドバイス、明確な宿題を与える」
 J.Y. Park氏は参加者に何か改善を求める際には、曖昧な表現は使わない。「気合が足りない」、「それくらい自分で考えろ」といった言葉で「指導をしているつもり」になっている上司も世の中には多くいるが、J.Y. Park氏のアドバイスは極めて具体的であり、次は何を克服すればいいか明確である。

 このような的確なフィードバックは、相手の成長に大きく貢献できることになる。人を育てる役割にある立場の人にとって、大いに参考になるだろう。

歌唱力に劣らず大切なことは、話すように歌うことです。山口さんは歌うときに、完璧に話すように歌っている感じがします。ダンスは強弱、緩急があります。強く踊る動きと、軽く踊る動きが区分できています。
2年という時間が……長いといえば長く、短いといえば本当に短い時間です。2年という時間、本当に誠実に練習したみたいです。誇らしく思っています。
(YouTube公式チャンネル「NiziU Official」[Nizi Project] Part 1 #3-1より)

(中略)

第5の特徴 「ホールネスな状態を求める」
 ホールネス(wholeness)を和訳すると「全体性」という言葉となるが、すごく簡単に言ってしまうと「ありのままの姿」ということである。私たちは働く上で、職場用の自分とプライベート用の自分を分けて生きることがあるが、ホールネスとはそのような境界を設けず、自分らしさを発揮して生きられる状態を指す。
 Nizi ProjectではJ.Y. Park氏が参加者たちに対して「そのままの自分」を発揮することを求める(もしくは許容する)シーンが随所に見られた。大切なのは、つくられたアイドル像を演じるのではなく、あくまでも等身大の自分。長期にわたってスターであり続けるためには、持続可能な姿でいる必要があり、ましてやニセモノでは通用しないわけである。

指摘したところをよく直してきたので、もう1つアドバイスします。もう少し楽になってほしい。楽になるというのは練習を適当に済ませるということではなく、ダンスをしたり歌を歌うときにとても切迫して見えるのは問題だと思う。ユナさんが見えない。楽になるとユナさん自身が見えるはずですよね。僕はユナさんが普段、どんな表情をしているのか見えない。歌の合間に見せる表情がユナさんの表情であるべきなのに、ユナさんの表情ではなく、全てが練習したように見えるのが本当に惜しい。
(通常は)事務所などに入って小さい頃からアイドルになる準備をしたら、実力はたくさん伸びるけど、気楽でナチュラルな姿がなくなるのが短所です、練習生生活の。
次回はもっと……ユナさんを見たいし、感じたい。話すときも、踊るときも、歌うときも、もっと。本来のユナさんでいてほしい。どんな人なのかを僕が感じられるように。
(YouTube公式チャンネル「NiziU Official」[Nizi Project] Part 1 #4-1より)

(中略)

第6の特徴 「才能を信じ、練習で改善できるものを指摘する」
 改善点について指摘することが多いJ.Y. Park氏だが、それらはすべて「練習」に帰結するようなフィードバックとなっている。Nizi Projectにおいて彼は才能を否定することは一切なく、あくまでも「練習に一生懸命取り組み、課題を一つひとつ克服していけば夢を実現できる」というスタンスを終始貫いているのが印象的だ。
 これにより参加者は自身の才能やセンスを疑うことなく、高い壁に挑んでいくことができる。その結果、一心不乱に練習するようになり、成長していくこととなる。ある意味、J.Y. Park氏の言葉は言霊のように作用している。

でも今日も、地域予選のときから変わっていません。ただ可能性だけが見える。(ニナさんの)成長した姿が何も見えません。ダンスはギリギリ覚えて真似して踊ったレベル。音程は少しは良くなったかもしれませんが、何ひとつ成長していません。とても不安定で、声がとても震えています。僕の期待値が高かったのかもしれませんが、とても残念です。
今度は僕が見た可能性がステージで現れたらいいなと思います。僕が見た才能は絶対にあるので、練習を頑張って、トレーナーの話をよく聞いて行動してもらえばすぐに成長できると確信しています。
(YouTube公式チャンネル「NiziU Official」[Nizi Project] Part 2 #1-2より)

(中略)

第7の特徴 「自分の内面を語る」
 J.Y. Park氏は相手を褒める時に、事実だけでなく自分の感情をセットで伝えることがある。感情というのは扱い方が難しく、「職場では感情的になってはいけない」と自制する人もいるが、感情的になることと、感情を伝えることは別である。特にポジティブな感情は伝える相手にとっても嬉しいものであり、より効果的なフィードバックとなることがある。

練習生13人の中で僕が一番気にしていた練習生がいました。練習生の期間が一番長くて、自分が一番上手くやらなければいけないというプレッシャーがあったと思います。そのプレッシャーが完全にストレスとなって様々な良くない状況を引き起こしたんだと思います……。
それで一番長く練習していたのに最後まで自分の実力を見せられずにデビューメンバーに選ばれなかったらどうしよう……。もちろん審査は公平にしなければなりませんので最後まで公平に見ますが……。(しかし)曲が始まって踊り始めたら、ダンスから全然違いました! とてもリラックスして自信を持ってダンスを大きく上手に踊っていました。そして歌い出したとき、細くて不安定な声ではなくとても力強い声が出ました。
ユナさんがどれだけストレスを受けて辛かったのか僕は想像できるので、急に僕は泣きそうになりました。(今まで)すごくこの言葉を言ってあげたかったんですが、本当に上手でした! 本当に心配だったのですごく嬉しいですね。もうこれでファイナル・ミッションでも実力を完全に発揮できるんじゃないかと期待しています。
(YouTube公式チャンネル「NiziU Official」[Nizi Project] Part 2 #7-2より)

(中略)

第8の特徴 「フィードバックする人間として説得力を持つ」
最後に、フィードバックは「何を言うか」がもちろん大切なのだが、やはり「誰が言うか」によって受け取り方は変わってくる。自分が嫌っている上司からだと何を言われてもムカつく、自分が全然できていないのに言われても説得力がないと感じるということは、誰しも経験があるのではないだろうか。
 J.Y. Park氏は韓国を代表するスターとして君臨し、そのための努力をし続けているからこそ、彼の言葉一つひとつには重みがあり、心を動かすものがあるのだろう。

歌手になる3〜4年前からやってきたので、ほぼ毎日30年くらい。全部覚えて毎日必ず30分やらないといけないんです。夢を叶えるために毎日のスケールトレーニングはもちろん、運動まで。やりたくないことも長い間コツコツ続ければ、自分がやりたい仕事が一生できる。
(YouTube公式チャンネル「NiziU Official」[Nizi Project] Part 1 #2-1より)
NiziUを開花させたプロデュ―サーJ.Y.Park氏の“イマドキの若者を育てる言葉学”「Goodが先、Mottoが後」 | 文春オンライン